散らかる請求書、膨らむ不安…私が借金地獄から抜け出すまで

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「今月も、またか…」溜息交じりに、ポストに積まれたクレジットカードの請求書を手に取りました。毎月同じことの繰り返し。複数のカードからの請求額は、私の給料をゆうに超えていました。気がつけば、借金総額は数百万円。まるで底なし沼に足を踏み入れたかのような、どうしようもない閉塞感に襲われていました。

事の始まりは、ほんの些細なきっかけでした。社会人になり、初めて手にしたクレジットカード。最初は便利さに感動し、少額の買い物に使っていただけでした。しかし、次第にその便利さが麻痺を生み出しました。「今月ピンチだけど、これは欲しい…まあ、来月なんとかなるか」と、安易な気持ちで高額なものを購入したり、友人との付き合いで無理な出費を重ねたりするようになったのです。

特に大きかったのは、見栄から始まったブランド品への浪費でした。周りの友人たちが持っているのを見て、自分だけが持っていないのが恥ずかしいと感じ、背伸びして購入してしまったのです。一度その快感を味わってしまうと、なかなか抜け出せませんでした。

借金が膨らんでいくにつれて、精神的にも追い詰められていきました。毎月の支払いに追われ、常に財布の中身を気にしなければならない生活。夜もなかなか寝付けず、常に不安がつきまとう日々でした。友人からの誘いも、お金がかかることを理由に断ることが増え、孤独を感じることもありました。

「このままではいけない」そう強く思ったのは、またしてもクレジットカードの支払いができず、カード会社から督促の電話がかかってきた時でした。その時の情けない気持ちと、このままでは本当に人生が終わってしまうという恐怖が、私を突き動かしました。

まず始めたのは、現状の把握です。全ての借金の金額、金利、返済期日をエクセルにまとめました。改めて数字を目の当たりにすると、その大きさに愕然としましたが、同時に「ここから逃げずに立ち向かわなければ」という覚悟も生まれました。

次に、藁にもすがる思いで、インターネットで借金問題に関する情報を調べ始めました。そこで知ったのが、債務整理という方法でした。最初は抵抗がありましたが、このままでは返済の見込みがないこと、そして専門家に相談することで解決の糸口が見つかるかもしれないと考え、思い切って弁護士事務所の無料相談に予約を入れました。

弁護士の方に現状を説明すると、親身になって話を聞いてくれ、私に合った債務整理の方法を提案してくれました。最初は不安でしたが、丁寧に説明してくれる弁護士の方の言葉に、少しずつ希望が見えてきました。

最終的に、私は任意整理という方法を選択しました。弁護士の方に交渉してもらい、将来の利息をカットしてもらい、毎月の返済額を減らすことができました。もちろん、返済期間は長くなりましたが、無理のない範囲で返済できるようになったことで、精神的な負担は大きく軽減されました。

借金問題から解放されるまでには、長い時間と努力が必要でした。しかし、あの時、勇気を出して一歩踏み出したからこそ、今の自分があると思っています。二度とあの苦しい日々に戻りたくないという強い思いが、今の私の生活を支えています。もし、過去の私と同じように借金で苦しんでいる人がいるなら、一人で悩まず、誰かに相談してほしいと心から願っています。きっと、光が見えてくるはずです。