借金するなら手間ヒマかけて借りるべし

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“私の高校生の頃の話です。
当時、我が家は一般的な普通の中流家庭でした。ところがある日母の借金があることが発覚しました。何も知らなかった父と姉が問い詰めたところ、始まりは同じ職場の同僚の借金の保証人になったことでした。同僚は自殺をしてしまいその借金が母にまわってきたのです。
昔から金銭面では父に厳しく言われていた母はもちろん保証人になったこと、自分が肩代わりして払っている事は家族に言う事はできませんでした。母が背負った金額も2,30万円ほどだったので家族に内緒で自分のパート代から返済していたようでした。
しかし返済の厳しい時もあり、その時は他社から借金をして返済に充てていました。ところが、借金などには今まで無縁だった母は金利の仕組みなどがよくわかっていなかったようで、闇金などではありませんが金利の高い金融会社から借金をしていました。銀行で借りるとなると手間ヒマがかかり、保証人なども必要になることもあります。しかし金利の高い金融会社ではその手間ヒマを省くことが出来、簡単に借りることが出来ます。それを繰り返しながら何社もの金融会社に借金をつくってしまう事になってしまっていました。
発覚したころにはちりも積もり、全社合わせて200万円ほどになっていました。普通に正社員である程度の収入があり、銀行からの借り入れなどであればそう難しい金額ではないのかもしれません。しかし、母はパート社員であり、収入と返済がつりあっていません。
その後、父の名前で銀行から総額の借り入れをし、全ての金融会社へ一斉返済して借入先を銀行一本にしました。
もちろん手間ヒマをかけて。
そして母にも簡単に借金が出来るという事の怖さを昏々と言い聞かせ、身にしみてわかってもらうために銀行への返済の一部、無理のいかない程の金額を母のパート代から払わせました。
母はもちろん父と姉に散々なまでに怒られましたが、二人のおかげで5年もせずに完済することが出来ました。
借金をすることは絶対にダメなことではないけど、簡単に借りることが出来るという事はその分リスクもあるという事を知っていなければなりません。きちんと調べて返済計画をしっかりもって、自分の出来る範囲でするものだとその時に学びました。今となっては私にすればよい勉強になった出来事でした。”