子供は悪くないのに

私が通った学校は、いわゆる名門校のため、クラスメイトにはお坊ちゃんやお嬢様が多くいた。 大きな休みが近付くと、親しいクラスメイト同士で休みはどこへ行くのか話し合う。 親しい女の子、「Ａちゃんは、旅行に行かないみたいよ」 他のクラスメイト、「どうして？」 女の子、「分からないけど、家族で旅行に行くのよ」 誰もが、そう思ったのだが、休みが明けると、教室にはＡちゃんの机が無かった。 私、「先生、Ａちゃんの机がありません」 先生、「Ａちゃんは学校を辞めました」 クラスメイト達、「えーどうして？」 私を含むクラスメイト達が驚くのは無理もない、なぜなら、私達が通った学校は入るのにメッチャ大変だから。 クラスメイト、「Ａちゃんの家に行ってみない？」 親しいクラスメイトらとＡちゃんの家に行くと、Ａちゃんの家は売りに出されていました。 挨拶も出来ず別れてしまったＡちゃんに涙するクラスメイトもいたのですが、1週間も経つとＡちゃんのことを思い出すことはなくなりました。 それから20年が経ち、クラス会を行うと、 クラスメイト�@、「昔、急に学校を辞めた子がいたよね？」 私、「そういえば、いたね」 クラスメイト�@、「その子の名前を誰か覚えている？」 私を含む他のクラスメイト、「・・・」 クラスメイト�@、「その子、どうして、学校を辞めたか知っている？」 私、「引っ越したからだろ」 クラスメイト�@、「どうして引っ越したか知ってる？」 私を含む他のクラスメイト、「・・・」 クラスメイト�@、「借金があったからよ」 私、「借金なんて、誰だってあるだろ」 クラスメイト�@、「急に学校を辞めた女の子の親は、私達の親からも借金をしてたのよ」 知らなかった。 それ以降、急に学校を辞めた女の子は、親の借金で夜逃げをした女の子と言われるようになりました。